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ばね指(弾発指)

◎ばね指とは?

屈筋腱と靭帯性腱鞘の間で炎症がおこると、指の付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。

これを腱鞘炎と呼び、進行すると、バネ現象が生じます。これがばね指です。

※バネ現象…指を曲げた後、指が伸びなくなって曲がったままになったり、

伸ばそうとするとバネのように急に伸びる現象です。

◎疫学

中年以降の女性と、1〜2歳の幼少時に好発します。

成人の場合、手をよく使う職業の中年以降の女性の右親指に好発する。

指の中では、母指、中指、環指(薬指)、示指、小指の順に生じやすいです。

幼少時の場合は、ほとんどが親指に生じます。

◎原因

指の屈筋腱はところどころを靭帯性腱鞘に囲まれ、指の屈伸運動時に

腱が指骨より浮き上がらないように保持されています。

指の屈筋腱を列車に例えれば、靭帯性腱鞘はトンネルということになります。

何らかの原因で腱とトンネルのサイズが合わなくなると屈筋腱のなめらかな滑走が阻害されます。

屈筋腱はしごかれたように一部太くなり、靭帯性腱鞘は腱鞘炎のために、

肥厚して、トンネルの入口部でつかえてしまいます。

成人のばね指は慢性の機械的刺激が原因とされていますが、

真の原因は不明です。幼少時のばね指は屈筋腱の先天性の肥厚と

いわれていますが、これも真の原因は不明です。

◎治療

◦注射療法…治療上の苦痛が少ないことが利点です。

欠点としては、治療に長期を要します。

◦手術療法…日帰りで手術ができ、7〜10日で治療します。

水仕事も可能です。術後の傷の心配もありますが、切離するのは、

腱鞘の一部だけなので、少さな傷ですみます。

◎予後

ステロイド注射を週1回ペースで3回行い、効果が無ければ、

手術を検討します。手術療法の予後は良好です。

屈筋腱をよく伸ばすことが大切です。DSC_0057