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肩関節唇断裂

◎肩関節唇断裂とは?

  関節唇(かんせつしん)は、肩の受け皿の骨(肩甲骨関節窩)の輪郭を土手のように覆っている

線維性の組織で、膝でいえば半月板のようなものです。関節唇はその部位で、上方関節唇、

前方関節唇、後方関節唇、下方関節唇に分けられます。

  上方の関節唇には上腕二頭筋長頭筋腱という肩のぶれを押さえる腱が付いています。前方、後

方、下方の関節唇には関節包靭帯という肩関節が前後にずれないように働く靭帯が付いています。

 つまり関節唇は肩関節が前後、上下にぶれないように、しっかりと支える働きをしています。

通常、関節唇は骨にしっかりと付着していますが、肩を使いすぎたり、肩にけがをしてはがれることがあります。これが関節唇断裂です。

  野球ではボールを投げすぎたり、ダイビングキャッチで肩を打撲したり、

スライディングで肩をねじったりして関節唇を傷めます。はがれる部位は肩の上方、前方、後方と様々ですが、野球肩では上方の関節唇がはがれることが多いです。

  上方の関節唇がはがれるとスラップ病変という病名がつきます。

上方の関節唇がはがれると肩の前後方向と下方のぶれが大きくなり、
投球時に肩の痛みや違和感(肩が抜ける感じ、ひっかかり感)を覚えるようになります。

  前方関節唇は、肩が脱臼、亜脱臼した時に断裂し、強い前方不安定性が残ります。

  残念ながら、一度はがれた関節唇が自然について治ることはありません。

    上方関節唇断裂の診断はなかなか難しく、外来診察とMRI、
CTでおおよそ診断できますが、最終的に肩  
 に内視鏡を入れてみて初めて診断されることも多いです。
症状は野球選手では投球時、コッキング期    
  から加速期での肩の痛みや違和感で、症状がそれほど強くない場合もあります。
診断方法