◎腰部椎間板ヘルニアとは?
椎間板は髄核と線維輪により構成され、上下2つの椎体間を連結しています。
椎間板ヘルニアとはこの椎間板が加齢による変性のために、椎間板後方部分の繊維輪に亀裂が生じ、
内部の髄核が亀裂を通って膨隆・脱出して神経根や、脊髄を圧迫している状態です。
簡単に説明すると、おまんじゅうの皮の部分を線維輪、あんこを髄核とします。
おまんじゅうを上からつぶすと、あんこが飛び出るような状態となります。
◎症状・所見
腰痛と下肢痛が2大症状です。下肢筋力の低下やしびれは痛みよりやや、遅れて出現します。
まれに巨大ヘルニアより、急性の両下肢筋力の低下、感覚障害、膀胱直腸障害が出現する場合があります。
この場合には緊急手術の適応となります。
L3/L4…腰部〜大腿後部・腓腹部の内側の痛み・下腿内側の知覚異常
◦大腿四頭筋・前脛骨筋の運動障害
L4/L5…臀部〜足の背側、母趾の痛み。下腿外側〜足趾1〜2趾の知覚異常
◦前脛骨筋・母趾伸筋・中臀筋の運動障害
S1/L5…臀部〜足底部及び腫の痛み。踵または足外側の知覚異常。
◦腓腹筋・ハムストリングス大殿筋の運動障害
(疼痛)(治療方針)
1週間〜3週間…炎症期、消炎鎮痛1週間は激しい疼痛、2〜3週間は中性の疼痛ADLが
強い場合は、ブロック注射を検討します。
4週間〜12週間…寛解期、4週間目は軽い疼痛、しびれが3〜6ヶ月継続
ALDが強い場合は脊髄専門医へ紹介
膀胱直腸障害や足に力が入らない場合は脊髄専門医へ。
◎アドバイス
臣人床安静よりも痛くない範囲で徐々に動きましょう。
痛みが治まるまで3〜6ヶ月を要します。整形治療と一緒に、
鍼治療、マッサージを行い、患部の周りの筋肉をゆるめていくことで、
痛みが治まるのを早めることができます。焦らず治していきましょう。